• 1 of 3

  • 2 of 3

  • 3 of 3

アサトキトオープン

店舗「アサトキト」はヘンプ(麻)の手芸用品専門店です。その他色々な商品を取り揃えております。寝具などもお試しいただけますので、ぜひ足をお運びください!皆さまのご来店を心よりお待ちしております!

www.asatokito.jp

〒162-0842 東京都新宿区市谷砂土原町二丁目7-19田中保全ビル101 TEL 03-5946-8977

北村 隆匡さんプロフィール

1977年生まれ。早稲田大学政経学部卒業。アシストV(株)「ASAFUKU(麻福)」事業代表。アサトキト 店主。ヘンプの産業利用を求めて約十年。『一人一つのヘンプ製品を』普及させるべく、高品質ヘンプ糸を強みにMADE IN JAPANのものづくりを推進している。財団法人地球環境財団『第一回 エシカルアワード」にて優秀賞。

『アサトキト』
asatokito.jp (店舗・WEBショップ)
asatokito.co.jp (会社)
アサトキト facebook

『ASAFUKU(麻福)』
asafuku.net(ブランド)
asafuku.jp(WEBショップ)
ASAFUKU facebook

Interview013

ASAFUKU(麻福)代表、 アサトキト 店主

北村 隆匡さん

―今回は、市谷砂土原町に新たにヘンプグッズ・ショップ「アサトキト」をオープンされた、北村隆匡さんからお話しをお聞きします。このショップでテーマとしているヘンプとはなんですか?
 ヘンプは、麻(あさ)の一種です。実は「麻」には、三十から四十の種類があります。巷で麻の衣服として売られているのは、リネン(亜麻科)やラミー(イラクサ科)ですが、ヘンプ(アサ科)は、現在あまり流通していない珍しい種類の麻になります。ただ、ヘンプは日本人と深い縁がある麻で、かつ地球環境にやさしく、何より天然の機能性が高い素材です。たとえば、抗菌性・消臭性に優れ、さらに、夏は涼しく、冬は暖かい調湿性に優れた素材で1年にわたって快適さを保つ〝人にやさしい素材〟です。このため肌にやさしく、健康を意識している方々、ナチュラル志向の方々を中心に引き合いいただいております。

―北村さんは、ヘンプとどのように出会ったのですか?
 私は、元々はNTTデータという大手コンピュータシステム会社でシステムエンジニアの仕事をしておりました。ところが、父が脳梗塞で急逝し、私が家業を継ぐことになりました。父は、長年繊維系商社マンとして東南アジアを駆け回っておりました。その後脱サラし、中国のアパレル業で首位のヤンガーグループの最高経営責任者と、合弁で繊維業の会社を経営しておりました。  IT業界から唐突に繊維業に転身しましたので最初は苦労しました。しかも、繊維業界は、ユニクロなど大手の台頭、またデフレの波を受け、顧客からは大きなコスト削減要求を突きつけられており、父が推進していた受動的な製造受託ビジネスは限界にきておりました。 ただ、父が築いた中国側のパートナーであるヤンガーグループとの人間関係は大きなもので、何か掴めないものかと話しているうちに出会ったのが「ヘンプ」でした。ヘンプがもつ様々な機能性は昔から知られていましたが、その糸づくりは非常に面倒で手間がかかり、苦労が絶えないもので大量生産には向かず、当時あったヘンプ糸は太くてチクチクするようなものばかりでした。しかし、ヤンガーグループは政府主導のプロジェクトに二十年来携わり、いよいよ高品質のヘンプ糸の大規模な製造ラインが始動する、という話が舞い込んだのです。 『これはなんだか面白そうだ』とこの新開発のヘンプ糸を用いた製品展開ができないかと、模索しはじめました。また同時にヘンプのことを詳しく調べていけばいくほど、日本においても歴史的に縁がある植物であることがわかり、世の中にヘンプを拡げる一助になりたいと思ってきました。いまから十年ほど前の話になります。

―日本での評判はどうだったのでしょうか。
 まずは世の中の人の反応をみてみようと、靴下をつくってみました。千人くらいの方々にモニターしていただきました。これが意外に良い反応がありました。日本では、麻というとどうしてもチクチク・ゴワゴワの印象が先行してしまいますが、柔らかくて肌触りが良く、ニオイもないしムレない、これは実に素晴らしい! との声が殺到したのです。次第に、他アイテムの要望も出てきて、横展開をしていき、ぜひ購入したいとの声もあり「麻福」という名前をつけて販売しはじめました。  ヘンプは、ムレない、ニオわない、清潔な素材です。年中適度な保湿性があります。いわば天然のエアコン効果です。麻福では、ヘンプがもつ、これらの機能性を活かして、人の役に立ち、お悩み解決になるような商品を展開していきたいと思いました。そこから、ヒット商品の「ヘンプ安眠マスク」と「ヘンプおやすみ手袋」が生まれました。 喉が乾燥すると免疫低下し、風邪につながります。とくに寝ているときに乾燥してしまいがちです。そこで、寝るときにマスクをつけて保湿するのですが、普通のマスクだと息苦しく、臭くて、暑苦しくて、寝ている間に剥いでしまう問題がありました。ところが、ヘンプでマスクを作ってみると、ムレすぎず、アツすぎず、いやなニオイもないものができました。ストレスフリーで実に心地よいマスクだ、と高い評価を得ています。 また、後者の「おやすみ手袋」は手荒れや湿疹、アトピーなどでお悩みの方に向けた商品でした。乾燥すると症状は悪化しますし、アトピーでお悩みの方は寝ているときに引っ掻いてしまって症状が悪化します。ただ、普通の手袋だとムレて雑菌も増えてしまい、かえって手荒れがひどくなってしまうのです。ところが、ヘンプの手袋だとストレスフリーで朝まで脱げず、手荒れの症状が良くなる、という声をいただいております。また、ヘンプの適度な暖かさもネット中心に口コミで拡がり末端冷え性に悩む方もお使いいただいています。ちなみに、ネットショップのアマゾンではハンドケア手袋部門において販売以来一位となっています。 こうして、当社では「お悩み解決」「健康快適な生活づくり」をサポートするヘンプ製品の開発が加速していきました。とくに「眠り」関係では高い評判を頂いております。シーツや枕カバー、ブランケットにはじまり、究極的な癒やし空間として「ヘンプ蚊帳」なども提案、不眠に悩む方々にも喜ばれています。製品も百種類以上にも増えてきました。

―そうすると、日本でも広がってきているということでしょうか?
 そうですね。人と地球が共生できるサステイナブルな素材として、伝統的な素材として、人の暮らしを健康快適にする素材として、注目は高まっております。 ただ、話題は拡がりつつも、具現化されたヘンプ製品を提供する会社が極めて少ないのが現状です。先程も申し上げたとおり、ヘンプ糸づくりには手間がかかり、一般的なリネンやラミーなどの麻と比べるとその供給量は数%です。しかも高価です。したがって、大量生産を行う大手企業でもほとんど展開しておらず、一般のお店に並ぶことはまずありません。また、ヘンプ糸や生地を在庫している会社がきわめて少ないため、多少高価になってもヘンプ製品をつくりたいと思っても原料が入手できないので検討の土台にものらない、という現状もあります。  また、日本においては、この素材への正しい認識が十分なされていない、というのも大きく市場が広がらない点です。ヘンプは英語名ですが、和名は「大麻・大麻草」です。「大麻」というと「麻薬」というイメージが先行しており、まだまだ日本では「繊維原料」としての大麻は認知度が広がっていません。ただ、日本では約一万年近く前から、繊維としての大麻を伝統的に使用してきた事実があります。例えば、神社の「しめ縄」や「鈴緒」、天皇陛下が即位するときに着用する衣服「あらたえ(荒妙)」、相撲の横綱が身にまとう「綱」などは大麻で作られています。日本の歴史的な神事や行事において使われるこれらのものには、原料が大麻でないと成立しないものが多々あります。 麻薬の成分はもともと花穂と葉にしか含まれないため、現在の日本の法律でも、花と葉以外は取り締まりの対象外です。世界的にも大規模産業用に栽培されている大麻、すなわちヘンプは、花と葉にも麻薬成分を含まない繊維用・産業用の品種です。日本においても、三十軒程度の農家が細々と産業用大麻を栽培しています。ただ、これらの大麻栽培農家も、世の中の誤解もあり持続的に栽培を続けていく事が、どんどん困難になっています。日本の神事等の伝統行事に欠かせない産業用大麻の栽培が国内から無くなってしまう、いわば日本の伝統文化の継続が危うくなる危機的な状況にあるといえるでしょう。

―さいごに、一言お願いします。
私ども麻福としては、産業用の品種を用いて、人のくらしに役立つヘンプ製品を普及拡大していくことを使命に思っております。ヘンプ製品の心地よさは使ってはじめてわかります。ぜひ何かひとつからでも使っていただけたらと思っております。  とくに、高品質の細いヘンプ糸を用いてつくった商品は非常に肌触りもやさしく快適です。また、当社製品のヘンプ糸は海外のものですが、製品化は日本で行っております。メード・イン・ジャパンの高品質ヘンプ製品を是非お試しいただきたいと思います。  アサトキトは、火〜土曜日。(日・月・祝日は休業日)、午後一時から七時までオープンしています。是非お気軽にお立ち寄りくださいませ。 ヘンプ素材の紹介セミナーや各種イベントも開催しております。 ぜひWebサイト(http://asatokito.jp/)もチェックしてみてください。

ヘンプのおはなし

麻の種類の中でも、とりわけヘンプは地球環境と人にやさしい植物です。
化学肥料や農薬 を使わずとも、約百日で三〜五メートル 程まで育ち、やせた土地でも根を地中深くまで伸ばし土壌を豊かに変えてゆきます。
また、ヘンプの素晴らしさは素材そのものがもつ豊かな機能性にあります。

天然の優れた機能性

抗菌性、消臭性、調湿性、UVカット性

このヘンプの自然の恵みを活かすため、 ASAFUKUでは、今までになかった細くてしなやかな糸を独自開発(世界一細いヘンプ糸の開発に成功)。この高品質な糸を用いて 、 人に恵みをもたらす最高のヘンプ製品の開発を行っております。